キャシー・ウッド、AI株3180万ドル大量購入で戦略転換

2025年06月24日

ARKファンドがAI関連株に3180万ドルの大型投資を実行
AMD株24万株追加購入でAIチップ分野への参入を強化
年初来リターン18%達成も長期パフォーマンスに課題残る

SEOの常識を覆す
AIライティングエージェント

プロフェッショナルの業務フローを完全再現するAIの活用で、飛躍的な品質向上とコストダウンの両立。「magicss」でAI時代のSEO＆AIOを実現してみませんか？

今なら 1記事無料で生成可能（カード登録不要）

最短3分で無料体験する

破壊的技術への集中投資戦略が復活

著名投資家キャシー・ウッド氏率いるARKイノベーションETF（ARKK）が、AI関連株式に総額3180万ドルの大規模投資を実行しました[1]。この投資は、同ファンドの年初来リターンが17.6%に達する中で行われ、S&P500の1.5%を大幅に上回るパフォーマンスを記録しています。ARKファンドは、AI、ブロックチェーン、ロボティクスなどの破壊的技術に特化した投資戦略で知られており、今回の大型投資は同戦略の継続を示すものです。

特に注目すべきは、ヘルスケアAI分野への新規参入です。ARKファンドは医療データ分析を手がけるTempus AI（TEM）株に3000万ドルを投資し[5]、AI技術の応用範囲を従来のテック分野からヘルスケア領域へと拡大しています。この動きは、AI技術の実用化が加速する中で、より幅広い産業分野での成長機会を捉えようとする戦略的転換を表しています。

ウッド氏のAI投資戦略は、まさに「次世代技術への先行投資」という投資哲学の体現と言えるでしょう。従来のバリュー投資が既存企業の安定性を重視するのに対し、ARKの手法は「まだ利益を出していないが、将来的に産業を変革する可能性を秘めた企業」への集中投資です。これは、インターネット黎明期にアマゾンやグーグルに投資したのと同様のアプローチで、高いリスクと引き換えに爆発的なリターンを狙う戦略です。ヘルスケアAIへの参入は特に興味深く、医療データの活用による診断精度向上や創薬プロセスの効率化など、社会的インパクトの大きな分野での成長を見込んでいると考えられます。

AMDへの大型投資でAIチップ市場に参入

ARKファンドは6月20日に、AMD株式24万7753株を3つのETF（ARKK、ARKW、ARKF）を通じて購入しました[3]。この投資は、AI処理に不可欠な半導体チップ市場への本格参入を意味します。AMDは、NVIDIAに次ぐAIチップメーカーとして注目されており、データセンター向けGPUやAI専用プロセッサーの開発で競争力を高めています。

同時期に、ARKファンドは暗号資産関連のCircle Internet株を一部売却し、約2億4300万ドルの利益を確定させました[2]。Circle株は6月5日のIPO以降80%の急騰を見せており、ウッド氏はこの機会を捉えて利益確定を行いつつ、資金をAI関連株への再投資に振り向けています。この一連の取引は、暗号資産からAI技術へのポートフォリオ・リバランシングを示しています。

AMDへの投資は、ARKファンドの投資戦略における重要な転換点と捉えることができます。これまでソフトウェアやプラットフォーム企業に重点を置いていた同ファンドが、AI技術を支える「インフラ層」であるハードウェア企業への投資を本格化させたのです。これは、AI革命が単なるソフトウェアの進歩ではなく、計算処理能力の飛躍的向上に依存していることを理解した戦略的判断と言えるでしょう。AMDは「AIのピックアンドシャベル」的な存在で、AI技術の普及に伴い確実に需要が増加する分野への投資です。Circle株の利益確定も巧妙で、暗号資産の価格変動リスクを回避しつつ、より確実性の高いAI関連技術への資金シフトを実現しています。

短期好調も長期パフォーマンスに残る課題

ARKファンドの直近1年間のパフォーマンスは61.26%と、S&P500の9.87%を大幅に上回る好成績を記録しています[6]。この好調さは、テック株の復活とAI・自動化技術への注目度上昇が主な要因です。特に、Circle株の400%急騰がファンド全体のリターンを押し上げ、ARKKは2022年の暴落以降の最高値水準に達しています。

しかし、長期的な視点では課題も残ります。過去5年間の年率リターンは0.4%にとどまり、S&P500の15.8%を大幅に下回っています[1]。投資評価機関モーニングスターは、ARKの投資戦略を「投機的」と批判し、予測能力に疑問を呈しています。また、NVIDIA株を急騰前に売却してしまうなど、AI分野での重要な投資機会を逃した事例もあります。

ARKファンドのパフォーマンスは、まさに「ハイリスク・ハイリターン投資」の典型例を示しています。短期的な爆発的成長と長期的な不安定性のバランスは、投資家にとって重要な教訓となるでしょう。ウッド氏の投資手法は「未来を予測し、その未来に賭ける」というものですが、技術革新のタイミングを正確に予測することの困難さも浮き彫りになっています。NVIDIA株の早期売却は特に象徴的で、AI革命の中核企業への投資機会を逃したことは、たとえ破壊的技術の専門家であっても市場タイミングの予測が極めて困難であることを示しています。それでも、現在のAI投資への集中は、過去の経験を踏まえた戦略的修正の表れとも解釈でき、今後の成果が注目されます。

まとめ

キャシー・ウッド氏のAI株への大型投資は、破壊的技術への集中投資戦略の継続を示すものです。AMD株やTempus AI株への投資により、AIチップからヘルスケアAIまで幅広い分野でのポジション構築を進めています。短期的なパフォーマンスは好調ですが、長期的な成果については今後の市場動向と技術革新の進展が鍵となるでしょう。投資家にとっては、革新的技術への投資機会と、それに伴うリスクを慎重に評価することが重要です。