S&P500・Nasdaq史上最高値、AMD・OpenAI提携でAI関連株急騰

2025年10月07日

S&P500が6,740.28、Nasdaqが22,941.67で史上最高値を更新
AMD株がOpenAIとの大型AI基盤契約で23.7%急騰
半導体指数が2.9%上昇し記録的高値、テック株主導の上昇

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史上最高値更新の背景とAI関連取引の活発化

米国株式市場では、S&P500指数が6,740.28ポイント（前日比0.4%上昇）、Nasdaq総合指数が22,941.67ポイント（同0.7%上昇）でそれぞれ史上最高値を更新しました[1]。この上昇は主にAI関連の大型契約発表によって牽引され、特に半導体セクターが市場全体を押し上げる形となりました。フィラデルフィア半導体指数は2.9%上昇し、記録的な終値を記録しています[1]。

市場の上昇は情報技術セクターが0.6%上昇してリードし、AI関連テーマが「唯一の取引材料」として機能している状況が続いています[3]。ただし、この上昇は幅広いものではなく、個別株の約半数が下落しており、大型テック株に集中した狭い範囲での上昇となっています[3]。

今回の市場上昇は、AI技術の実用化が本格的な投資段階に入ったことを示す重要なシグナルです。従来のAIブームが概念的な期待に基づいていたのに対し、今回はOpenAIとAMDのような具体的なインフラ契約が市場を動かしています。これは、AI技術が研究開発段階から実際のビジネス展開段階へと移行していることを意味し、投資家にとってより確実な成長ストーリーとして受け入れられているのです。ただし、上昇が特定のセクターに集中している点は、市場全体の健全性という観点で注意深く監視する必要があります。

AMD株急騰の要因：OpenAIとの戦略的パートナーシップ

AMD株は23.7%の大幅上昇を記録し、この日の市場上昇を牽引しました[1]。上昇の要因は、同社がOpenAIと6ギガワット規模のAIインフラ契約を発表したことです。この契約では、AMD Instinct GPUを使用してOpenAIの次世代AI基盤を構築することが決定されています[1]。

さらに注目すべきは、OpenAIがAMD株式最大1億6,000万株のワラント（新株予約権）を取得することです[1]。このワラントは特定のマイルストーン達成に応じて段階的に行使可能となる仕組みで、両社の長期的な戦略的パートナーシップを示しています。

この契約は単なる製品供給契約を超えた戦略的提携として理解する必要があります。6ギガワットという規模は、大規模な都市の電力消費量に匹敵する巨大なエネルギー需要を意味し、AI処理能力の産業化がいかに大規模になっているかを物語っています。ワラント条項は、OpenAIがAMDの成功に直接的な利害関係を持つことを意味し、両社が運命共同体として協力する強いインセンティブを生み出します。これは、AI業界における垂直統合の新たな形態として、今後の業界再編のモデルケースになる可能性があります。

市場の持続的上昇トレンドと投資家心理

S&P500指数は7営業日連続で上昇し、この期間で約2%の上昇を記録しています[3]。前営業日の10月6日には6,715.79ポイントでほぼ横ばいの取引を終えていましたが[4]、翌日には大幅に上昇して史上最高値を更新しました。この急激な変化は、AI関連の大型契約発表が市場心理に与えた影響の大きさを示しています。

債券利回りの低下も株式市場にとって追い風となり、特に成長株にとって有利な環境が整っています[3]。大型テック株が午後の取引で市場全体を押し上げる展開となり、AI関連の取引活動が市場の主要なテーマとして定着していることが確認されました[2]。

現在の市場上昇は、金融政策環境とAI技術の実用化という二つの好材料が重なった結果です。債券利回りの低下は、将来の成長に対する期待値を高める効果があり、AI企業の高い評価を正当化する環境を作り出しています。しかし、7日連続の上昇は過熱感も示唆しており、投資家は短期的な調整の可能性も考慮すべきでしょう。重要なのは、今回の上昇が投機的なバブルではなく、実際のビジネス成果に基づいていることです。OpenAIとAMDの契約のような具体的な成果が続く限り、この上昇トレンドは持続可能性を持つと考えられます。

まとめ

今回の史上最高値更新は、AI技術の産業化が新たな段階に入ったことを象徴する出来事です。AMDとOpenAIの大型契約は、AI関連投資が概念から実行段階へと移行していることを明確に示しており、投資家の関心が具体的なビジネス成果に向かっていることがわかります。ただし、上昇が特定セクターに集中している点や、7日連続の上昇による過熱感には注意が必要です。今後も AI関連の具体的な契約や技術的ブレークスルーが市場の主要な推進力となることが予想されます。